物流コストの削減は、多くの企業にとって重要な課題です。とくに、梱包資材は大きなコスト削減ポイントのひとつといえます。梱包資材の見直しによって、物流コストを効果的に削減可能です。今回の記事では、物流コストカットのために今すぐできる梱包資材の見直し方法を紹介します。
目次
物流コストカットで梱包見直しが増えている理由
近年、多くの企業が梱包の仕様を見直す動きを見せています。
なぜなら梱包は、製品を輸送する上で欠かせない要素ですが、同時に物流コストの大きな部分を占めているからです。企業によっては、一度決めた梱包仕様を長年変更せずに使用しているケースもあります。
しかし、時代の変化や製品の改良などによって、当初の仕様が必ずしも最適とは限らなくなっている場合があります。梱包仕様を見直すことで、無駄なスペースを削減したり、より効率的な梱包材を選定でき、物流コストの削減効果が期待できます。
梱包資材にはどの面でコストがかかっている？
梱包資材のコストは、大きく分けて以下の4つの面から発生します。
材料費
梱包資材は、主に段ボール、緩衝材、テープ、ラベルなど、さまざまな材料で作られています。
前述の材料の価格変動は、梱包資材コストに直接影響します。近年では、原油価格の高騰や紙パルプ不足の影響で、材料費が上昇傾向にあります。
製造費
梱包資材を製造するには、人件費、工場の運営費、設備の減価償却費といったコストがかかります。
製造工程が複雑だったり、高度な技術が必要だったりする梱包資材ほど、製造費が高くなります。
輸送費
梱包資材を製造工場から顧客のもとへ輸送するには、運賃や荷造り・積み下ろしの人件費などのコストがかかります。
輸送距離が長かったり、重量や体積が大きかったりする梱包資材ほど、輸送費が高くなります。
廃棄費
使用済みの梱包資材は、廃棄する必要があります。
廃棄するには、廃棄処理業者への委託費や、リサイクル費用といったコストがかかります。近年では、環境への配慮から、廃棄コストも上昇傾向にあります。
物流コストカットがしやすい梱包資材の見直し方法を紹介
以下にコストカットに最適な方法をまとめ、詳しく紹介します。
梱包資材の現状を把握する
現在の梱包資材の使用状況を把握するのが重要です。
具体的には、使用している梱包資材の種類と量、購入単価や廃棄コスト、そして輸送コストを調査します。情報を収集することで、無駄な梱包資材やコスト削減の余地がある箇所を特定できるでしょう。現状を正確に把握すれば、改善策を効果的に実施するための基礎データを得られます。
梱包資材の種類を見直す
梱包資材の種類を見直して、コスト削減や環境負荷の低減を実現してみましょう。
過剰な梱包を避けるのはもちろん、規格サイズに合わせた梱包資材を使用すると無駄を省けます。軽量な梱包資材を使用すると、輸送コストを削減可能です。リサイクル可能な梱包資材を使用すれば、環境への配慮も示せます。
エコロジーに興味関心を持っているとアピールし、会社のブランディングにもつなげてみてください。
梱包方法を見直す
梱包方法は、資材の量を減らすために重要な要素です。
隙間を埋める緩衝材を使用すると、商品の安全性を確保しつつ資材の無駄を減らせます。複数個の商品をまとめて梱包することも、有効な手段です。商品の形状に合わせた梱包方法を検討するのもよいでしょう。資材の節約と商品の保護を両立し、効率的な梱包が可能となります。
梱包資材の仕入れ方法を見直す
梱包資材の仕入れ方法を見直し、購入コストを削減するのも効果的です。
複数の業者から見積もりを取れば、最もコストパフォーマンスの良い業者を選定しやすくなるでしょう。大量購入による割引制度を利用すると、単価を下げられます。共同購入を検討すれば、他社と協力してコストを抑えられます。
これらの方法を組み合わせて、仕入れコストの最適化を図ってください。
梱包資材の輸送方法を見直す
梱包資材を効率的に輸送できる方法を検討すると、輸送費を削減できます。
荷物の混載や、空間に合わせた梱包資材の開発を実施するのが効果的です。輸送倉庫のDX化でコスト削減を狙う場合には、ロボットが梱包した資材を運びやすいかもチェックしてください。物流DXの効率化を図れば、資材輸送の準備が簡単になりさらにコストをカットできます。
梱包資材の廃棄方法を見直す
梱包資材の廃棄方法を見直すと、廃棄コストを削減できます。
リサイクル可能な梱包資材を使用すれば、廃棄物の量を減らすことが可能です。梱包資材を再利用すれば、廃棄コストをより抑えられるでしょう。廃棄業者を比較検討し、よりコスト効率の良い業者を選んでください。効率的な廃棄コストの削減が実現します。
まとめ
梱包資材の見直しは、物流コスト削減と環境負荷低減に効果的な手段です。現状の把握、資材の種類や方法の見直し、仕入れや廃棄の見直しを行うことで、大幅なコスト削減が可能となります。この記事で紹介した方法を参考に、ぜひ今すぐ梱包資材を見直してみてください。企業の競争力を高め、持続可能なビジネスモデルを構築できるでしょう。
