梱包と包装という言葉はしばしば混同されやすいですが、それぞれ商品を包む目的などに明確な違いがあります。今回は梱包と包装の定義と分類、一般的な意味の認識のほか、梱包資材や包装資材の例、具体的な梱包・包装方法などについて詳しく解説しましょう。梱包と包装の違いについて知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
知っておきたい!梱包と包装の違い
荷物や商品を包むという意味で使用される梱包・包装ということがですが、それぞれの違いを正確に理解している人は少ないでしょう。ここでは、国内の産業製品に関する規格であるJIS規格における梱包・包装のそれぞれの定義に加え、一般的な使い方の違いについて詳しく解説します。
梱包と包装の正しい定義とは
JIS規格における梱包は、商品の輸送を目的として包むことであり、段ボールや木箱などを用いる場合を指すと定義されています。また、包装の定義は、商品の輸送時・保管時などに商品の価値や状態を維持するために容器などに収納する作業、技術、状態です。
つまり、梱包は商品の輸送を目的としているのに対し、包装は輸送のみでなく商品の保管や状態維持を目的としているという違いがあります。JIS規格の定義に則って考えると、梱包は包装の中でも輸送を前提とした収納状態であるといえるでしょう。
包装は工業包装と商業包装の2種類に分けられる
JIS規格では、包装を工業包装と商業包装の2つに分類しているのが特徴です。工業包装は商品を業者に輸送するための包装を指し、配送・保管を主な目的としています。対して、商業包装の定義は、商取引のレベルや内容に応じ、包装自体を商品の一部として施すものとしているのです。
商業包装は商品の一部として消費者向けに包装を施すことであるともとらえられるため、購買意欲を掻き立てるために見栄えよく仕上げられた包装なども含まれます。
一般的な梱包と包装の違い
JIS規格の定義ではなく一般的な認識としては、梱包は段ボール箱や宅配用袋などに配送用として商品を包むことであります。包装はきれいな包装紙などで商品をラッピングすることであると認識している人が多いでしょう。
多少ニュアンスに違いがあるものの、一般的な認識では梱包はJIS規格での工業包装に、包装はJISに規格での商業包装に近いと考えられます。
梱包に適した資材と梱包方法
梱包資材として適したアイテムと、梱包方法や梱包の具体例に付いて解説します。
梱包資材
梱包資材とは、輸送・保管のために商品を包んで保護するためのアイテムです。もっとも広く利用されているダンボール箱のほか、木製やプラスチック製などのコンテナ、商品を衝撃から守る気泡緩衝材、梱包テープなどが挙げられます。
具体的な梱包方法
梱包の際は商品を気泡緩衝材で包んでダンボール箱などに入れるのが基本です。水濡れに弱い商品の場合は、ダンボール箱ではなく木箱梱包やスチール梱包が採用されます。
また、パレットにダンボール箱を積み上げて固定するパレット梱包や緩衝材とともに箱に詰める緩衝梱包、アルミ素材で荷物をおおうバリア梱包などもよく利用される方法です。
包装に適した資材と包装方法
包装資材として適したアイテムと、包装方法や包装の具体例に付いて解説します。
包装資材の例
包装資材とは、商品を販売する際に商品の保護や見栄えのために使用される資材です。通常、倉庫にある商品はダンボール箱などのケースにまとめて梱包されていますが、店頭に並べる場合は商品をひとつひとつ取り出して陳列します。
その際に商品を直接包んでいるのが包装資材であり、ペットボトルや紙パック、缶などが挙げられるのです。
具体的な包装方法
包装とは店頭に並ぶ商品を直接包んでいるものです。飲料を入れたペットボトルや牛乳を入れた紙パック、食品が入った缶などが挙げられます。また、商品の形状に合わせて作ったプラスチックケースに商品を入れ、さらに台紙で包みこんだシェルパックなどのも包装のひとつです。
包装はそのものが商品の一部であると認識されており、デザインにもこだわっているのが特徴となります。実際に、商品パッケージのデザインによって商品の売れ行きが変化することも少なくありません。
たとえば先述のシェルパックは、プラスチック部分が透明であるため商品そのものを見せる包装方法です。また、ペットボトルであれば形状やラベルにこだわってデザインされています。
まとめ
梱包と包装の違いについて、正しい定義と一般的な認識のほか、梱包・包装のそれぞれの資材の例や具体的な方法などを詳しく解説しました。JIS規格によると、梱包は商品の輸送を目的とした包装であり、包装は商品の輸送や保管、状態維持を目的とした包装です。
JIS規格の定義では、梱包は包装のひとつであるとえいます。対して、一般的な認識においては、梱包はダンボール箱などに商品を包むことであり、包装は商品をきれいにラッピングすることであると考えている人が多いでしょう。
梱包資材にはダンボール箱や木製・プラスチック製コンテナ、気泡緩衝材などが挙げられます。また、包装資材にはペットボトルや紙パック、缶のように、商品そのものを販売のために直接包んでいるものが挙げられるのです。